トイレのアクシデントで一番びっくりするのがトイレの排水が流れないことではないでしょうか。みるみる便器に水が増えていき不安になった人も多いかと思います。突然アクシデントに見舞われて慌てないように事前に原因と対処法を知っておきましょう。トイレつまりは大きく三つのケースが考えられます。それぞれのケースを見て行きましょう。

トイレつまりの色々なケース

一つ目は水が出ない、出る水が少ないことでおこるトイレつまりです。トイレの便器は種類ごとに流れる水の量が決められています。水の量が少ないと固形物を配管まで押し流すことができなくなります。

二つ目は便器内やトイレ系統の配管に物が入っている可能性です。大人が便器の中に物を落とせば当然わかりますが子供などが物を落としてそのまま水を流すと便器内のSトラップに残ったりその先の配管に引っかかったりすることで残ることがあります。

三つ目は便器にトイレットペーパー以外の物を流すことでおこるつまりです。トイレットペーパーによく似たものでティッシュペーパーがあります。しかし、ティッシュペーパーはトイレに流してはいけません。形状は似ていますがティッシュペーパーは水に溶けにくい性質です。便器や配管に残ったティッシュペーパーは固まった固形化してしまいます。

トイレが詰まる原因

それでは三つのケースごとにトイレの詰まる原因をみていきましょう。一つ目のケースは給水が関係するパターンでした。水がまったく出ないか、少しは出るが少ないかで原因は変わってきます。水がまったく出ない場合、トイレだけが出ないのか他の水回りの器具も出ないかを確認します。トイレだけが出ない場合、止水栓やロータンクの手前についているストレーナーにゴミが詰まって閉塞している可能性があります。トイレの給水に井戸水を使用していると水道局の水道水と違い砂や不純物が含まれているため閉塞しやすくなります。

ストレーナーというのは、ロータンクのボールタップの手前の袋ナットの内部にゴミがタンクに入らないように網がついています。網が砂やゴミなどでいっぱいになるとタンク内に給水ができないため水が流れない状態になります。水が少ししか流れないケースですが、タンク内にペットボトルなどを入れて節水をしていると、規定の水量が流れないためトイレが詰まることがあります。

二つ目は便器や配管に物が入っているケースでした。ロータンクに水が充分たまっていて水が流れるが流れが悪い場合はこのケースが疑われます。重い物などは便器側のトラップと呼ばれる封水部分に詰まっている可能性が高くなります。一戸建ての場合、トイレの外に排水桝があります。排水桝が何らかの原因で詰まると同じ症状となります。

以外に多い排水桝のつまりとして木や草の根があげられます。小口径と呼ばれるビニル製の桝は隙間がないので木や草の根が入ってくるケースはありませんがコンクリート製の桝の場合、経年とともに隙間が大きくなり蓋を開けると根がびっしり生えていることもよくあります。水を求めて根が伸びてくる生命力には驚かされるばかりです。少しでもトイレットペーパーや固形物が根に引っかかると後は連鎖反応であっという間に閉塞してしまいます。レアなケースとして工事期間中のゴミが残っていて閉塞したということも報告されています。

三つ目のケースはトイレットペーパー以外の物を流すことでおこるつまりでした。トイレットペーパー以外に流せるものとしてお掃除シートなどがあります。流す前に必ず商品を確認してトイレに流せるか商品か確認してから流しましょう。実際に修理で出てきたものでよくあるのが丸めたティッシュペーパー、生理用品、ウエス、下着などがあります。トイレはなんでも流せるわけではないので使用する人たちに周知することでトラブルを未然に防ぐことができます。不特定の人が使うことが多い場合などは貼り紙などでトラブルがなくなったケースもあります。

トイレつまりの自分でできる対策

三つのケースごとに自分で修理できるか見ていきましょう。一つ目の水が原因の場合。ロータンク手前のストレーナーの掃除や止水栓の詰まりの確認はDIYで可能です。修理前に必ずトイレ内の止水栓か水道メーターのバルブを閉めてからおこないましょう。袋ナットを外した時に配管の中の溜まり水が出てきますので床にタオルなどで養生して行います。止水栓の手前や止水栓が詰まっている場合は、テーパーねじと呼ばれる配管を一度外して再度、適正なトルク締め付けなければなりません。壁の中や床の中で漏水すると大変なことになりますので、このケースは専門の業者に依頼しましょう。

二つ目は便器内に物が詰まっているケースです。便器に物を落としてすぐで水を流していない場合は比較的近くに物が留まっている可能性があります。道具などを下手に使わずに手を突っ込むことで簡単に取れる可能性があります。素手に抵抗がある方は灯油などを補給する灯油ポンプなどであらかじめ便器内の水をバケツなどに抜くと、ゴム手で作業することができます。

一戸建ての場合、トイレの屋外に排水桝があります。蓋は点検をするために用意に開けられるようになっています。蓋を開けて水が溜まっていなければ便器側の原因になります。もしここで、桝内に水が溜まっている場合は桝間のどこかが詰まっていることが考えられます。通常この場合、洗管と言って高圧洗浄機などで配管上の異物を除去していきます。最近はホームセンターなどでも購入できますが、異物を奥に押し込んでしまう可能性もあります。リスクを考えると専門の業者に依頼しましょう。

トイレットペーパー以外の物を流してないのに詰まった場合は、ラバーカップで詰まりを修理することは可能です。集合住宅も同様になります。ラバーカップで修理する場合、便器内にある程度の水が必要になります。足りない場合はバケツなどで水位を調整します。

特定の物を落として取りたい場合やラバーカップで詰まりが解消できない場合は、便器を一度取り外すことで解消できます。再度取り付け後に何年も使用することを考えると専門の業者に依頼しましょう。古いタイプの便器は便器を一度外すとパッキンが使いまわしできないものもあります。

三つ目のケースはトイレットペーパー以外の物で詰まったケースです。この場合、詰まっている物にもよりますが、ラバーカップなどで逆に奥に押し込んでさらに状況が悪くなることもあります。集合住宅などは、排水の竪管が詰まると自分以外の他の住宅のトイレも使えないようになります。専門の業者に依頼することを推奨します。どうしても業者さんが近くに見つからない場合は、ホームセンターなどにパイプクリーナーと呼ばれるワイヤーが付いた道具があります。手動でワイヤーを回して便器内に詰まっている物を粉砕していくことで詰まりを解消できます。